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売るタイミングと長期投資のメリット

売るタイミングと長期投資のメリット
荒川 孝希

【株式投資】投資スタイル(短期・中期・長期)はどうやって決めればいい?メリット・デメリットについても解説

短期投資は最短で数分程度、長くとも数週間程度のペースで、頻繁に取引(トレード)する株式投資スタイルです。常に相場を確認し、多少の値動きを見逃さずに取引する必要があるため、時間のある方や株式投資上級者向けの投資スタイルです。短期投資は、1日で取引を完結する「デイトレード」と、数日から数週間かけて取引する「スイングトレード」に分類されます。素早く判断を下すことができる人や、投資活動に多くの時間を割くことができる方におすすめできる投資スタイルです。
ちなみにFX(Foreign Exchange:外国為替取引)では、特別な場合を除いてほとんどが数分〜数時間、数日の短期で取引されます。

デイトレード|数分~数時間程度

スイングトレード|数日~数週間

短期投資のメリット

短期投資は、資金効率がよく、少ない投資で多くの利益を得る可能性がある投資スタイルです。1つの取引で損をしても、また別の取引で持ち直すこともできます。 取引は短期で完結するため、いち早く売買の結果を出したいという方には最適かもしれません。
また、企業の業績や経済状況の影響を受けにくい投資スタイルでもあります。企業を細かく分析する手法は面倒だ、と感じる方におすすめできる投資スタイルです。

短期投資のデメリット

短期投資で得られる利益は少額であるため、多くの利益を得るためには何度も取引を繰り返す必要があります。そのため、取引手数料もかさみます。
そして、初期投資が少ないと何度取引を繰り返しても資金が増えません。まとまった利益のためには、まとまった初期投資が必要です。
また、取引所が閉まっても常に株価チャートやニュースをチェックする必要があります。 市場にとってサプライズとなる情報が不意に出たとき、株価は短期的に大きく変動します。 しばしば「短期投資ならチャートだけに注目していれば良い」と思い込む人がいますが、 短期投資ではこのような急変動の影響を大きく受けるため、チャートだけでなくさまざまな新情報やニュースにも注目していなければいけません。さらに、長期投資よりリスクの高い手法でもありますから、損失を出したときに割り切れる心持ちも大切です。
そのため、 ある程度投資に慣れた人で、かつ投資へ多くの時間を割ける人でなければ難しい投資スタイルでしょう。

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中期投資のメリット

中期投資のデメリット

長期投資のメリット

長期投資は、短期的な株価の変動に影響を受けづらい投資スタイルです。株価の細かな浮き沈みに一喜一憂することがないため、精神的にも安定して投資できます。一度投資先を選べばあとは手間もかからないため、時間がない人でもチャレンジしやすい投資スタイルです。取引回数も少なく済むため、取引手数料のようなコストも抑えることができます。また、企業からの配当や、株主に対する特別サービス「株主優待」も享受できます。
また積立投資を長期的に行う(月に1回など)ことで、1回でまとめて投資して保有するよりも、株や投資信託の取得単価の削減を期待できます。これを「ドル・コスト平均法」と呼びます。特に、投資信託で長期・積立投資を 行え ば銘柄や資産の分散効果も期待でき、「長期・分散・積立」という投資の3原則を実践できます。詳しくは、投資信託に関連する記事を参照してください。

米国株投資は長期と短期、どちらが有利か?

投資をする上で、「長期投資」と「短期投資」のどちらのスタイルで取り組むべきか迷ってしまうことがあるかと思います。
よくある疑問ですが、これには正解があるわけではありません。
基本的に、長期と短期のどちらが優れているのか、有利なのかというのはなく、双方にメリット・デメリットがあり、特徴を見極めた上で自分に合っている投資スタイルを選ぶ必要があります。
ただ、米国株投資においては長期投資の方が適しているといえるかもしれんせん。
米国株のマーケットは長期的な成長を続けており、仮に今後も成長が続くのであれば長期で運用した方が資産を増やせる可能性が高いからです。
以下で長期投資と短期投資のメリット・デメリットを紹介します。
総合的に判断して、それぞれご自身に適した投資スタイルを検討してみてください。 売るタイミングと長期投資のメリット
なお、長期や短期の基準は明確ではないものの、ここでは保有期間1年以下の投資を短期投資、1年を超えて継続保有する投資を長期投資と定義し進めていきます。

長期投資のメリット・デメリット

<長期投資のメリット>

複利効果を発揮しやすい

長期投資のメリットは、何といっても「複利効果」を活かせる点です。
複利効果とは、投資によって得られた利益をそのまま再投資することで、利益が利益を呼び雪だるま式に膨らんでいく効果のことを指します。 売るタイミングと長期投資のメリット
投資期間が長ければ長いほど複利効果は大きくなる傾向にあり、その恩恵を受けることが可能です。
たとえば、1991年始値~2020年終値までの30年間、投資資金1万ドルでS&P500指数に投資をします。
複利効果の運用と非複利効果の運用を比較してみましょう。

  • ① 複利効果の運用
    その年の始値で1万ドル買付し、その年の終値で売却するという売買を30回繰り返す。
    2020年終値時点での利益:28,457ドル
  • ② 非複利効果の運用
    1991年の始値で1万ドル買付し、2020年終値まで継続保有する。
    2020年終値時点での利益:105,058ドル
    • ※ QUICKのデータをもとにauカブコム証券が調査
      手数料、譲渡益税、その他費用考慮せず。

    収益が安定化しやすい

    米国株投資では、短期的に見ると収益は大きなプラスもしくはマイナスになることがありますが、長期で運用を続けていると、1年あたりの平均的な収益は安定する傾向にあります。
    たとえば、先ほどの例と同じく1991年始値~2020年終値までの30年間、S&P500指数に投資をします。
    単年で見ると2008年には-37.6%、2002年には-23.8%など、大きな損失を抱える年もありました。
    しかし30年間の平均騰落率は9.5%となってました。(※QUICKのデータをもとにauカブコム証券が調査。手数料、譲渡益税、その他費用考慮せず。)
    投資期間を長くすることにより、運用成績の良い時期と悪い時期がならされ、収益が安定してくるので失敗しにくくなる可能性もありそうです。

    インカムゲイン(配当金)を狙える

    精神的負担が少ない

    長期投資では、長期的に見て株価が値上がりするかどうかが重要なので、四六時中マーケットに張り付いて値動きを確認しなくて済みます。
    短期的な値動きに一喜一憂する必要がないので、精神的負担が少なくなるのがメリットです。
    長期投資は時間に拘束されにくく、忙しい方でも無理なく投資を続けることができます。

    <長期投資のデメリット>

    不確実性リスクが増大する

    資金効率悪化の可能性も

    資金効率が悪くなるのも長期投資のデメリットです。
    例えば、100万円の資金を用意してそれを全て1つの銘柄に投資し、10年間運用した場合、その間ずっと資金を寝かせることになります。
    短い期間で利益を上げ、その利益をすぐに別の銘柄の購入に回せる短期投資と比較すると、資金効率は圧倒的に悪いです。

    すぐに利益を得られない

    短期投資のメリット・デメリット

    長期投資とは対象的に、短期間の売買で値上がり益を追求するのが「短期投資」です。
    長期投資は会社の成長を通じて利益を得ようとするスタイルですが、短期投資は会社の成長というよりも、目先の株価の変化に着目して利益を得ようとするスタイルといえます。
    将来的に成長が期待できる会社でなくても、買い手が多ければ株価は上昇するため、その動きを捉えて売買すれば短期的に利益を上げることが可能です。

    <短期投資のメリット>

    損益がすぐに確定する

    短期投資は投資期間が短く、すぐに損益が確定するのがメリットです。
    購入後に早い段階で値上がりすれば、短期間で利益を得ることができます。
    また、購入後に値下がりしても短期間ですぐに売却できるので、損失を最小限に食い止めることが可能です。
    短期投資では、含み損を抱え込んだまま資金が塩漬けになるリスクはほとんどありません。

    資金を効率的に使える

    短期投資は、長期投資と比べると資金効率に優れています。
    購入していた銘柄を売却すれば、戻ってきた資金で別の銘柄へすぐに投資できるので、資金が取引に使われない期間が短くなります。
    短い期間で売買を繰り返すことで、限られた資金を効率的に使える可能性もあるのです。

    不確実性リスクを回避しやすい

    <短期投資のデメリット>

    大きな利益は期待しづらい

    短期投資は何度も売買を繰り返しながら、小さな利益をコツコツと積み上げていくスタイルです。
    短期間での株価の変動幅は限られているため、一度の取引で大きな利益はあまり期待できません。
    長期的なスパンで見れば、株価が買値の10倍ほど値上がりするケースもありますが、短期間でそれは難しいです。

    インカムゲイン(配当金)が得られない場合もある

    取引コストが嵩みやすい

    米国株を購入または売却する際には手数料がかかります。
    そのコストは日本株よりも割高で、短期間のうちに何度も取引を繰り返す短期投資では、取引コストが膨らむ傾向にあります。
    コストが多くかかってしまうと利益を圧迫し、思うように資金が増えない場合もあるので注意が必要です。

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